データセンターとは、サーバーを含む情報通信機器を、集中的に設置・保管・管理することを目的としたインフラ施設です。
さまざまな情報通信機器を、年間を通じて24時間途切れることなく運用するために多大な電力が必要で、電力供給設備、空調システム、ネットワーク環境、セキュリティ対策、防災機能などにおいて、高いレベルの性能が求められます。
新型コロナウイルスの影響によるテレワークの普及、動画配信をはじめとするコンテンツ利用の増加、さらにはデジタルトランスフォーメーション(DX)の進展に伴うクラウドやAIの活用拡大を背景に、国内の通信量は増加を続けています。さらに今後、メタバース、遠隔医療・教育、自動運転といった新たな技術やサービスが普及・進化することによって、デジタル分野の展開次第では通信量の構成が変化し、通信量全体が急激に増加する可能性があります。その結果としてデータの処理や保存を担うサーバーやストレージの需要が増大し、それらを設置するデータセンターの需要もさらに高まると予想されています。
日本では、クラウドサービスの普及やDXの加速に伴い、データセンターの需要が急速に拡大しています。特に関東圏や関西圏は、新たなデータセンターの開発が活発に行われており、これらのエリアは引き続き投資の観点で魅力的な市場として注目されています。一方で、日本政府はデータセンターの分散配置を促進しており、北海道や九州など、地方での整備が進展しています。これにより、地域におけるデジタルインフラの重要性が高まるとともに、地方のDX推進やグリーン・トランスフォーメーション(GX)政策との連携も期待されています。
また、欧州やアメリカにおいてもデータセンター市場は急成長しています。
欧州では、特に生成AIやビッグデータ解析の需要、ならびにハイパースケール及びコロケーションデータセンターの需要が拡大しており、データセンターのIT電力容量も増加しています。電力供給やゾーニングの制約から、主要都市だけでなく、北欧や中央ヨーロッパといったTier 2市場への投資も活発です。
アメリカでは、クラウドコンピューティングやAI技術の進展に伴い、特にハイパースケールデータセンターの需要が高まっています。さらに、AIや機械学習アプリケーションの急速な普及に伴うデータセンターの設計進化が求められているほか、サステナビリティと電力供給への関心の高まりを受け、AWSがペンシルバニア州で原子力データセンターキャンパスを取得するなど、クリーンエネルギーの活用が進んでいます。
世界的なデータ通信量の増加により、データセンターはグローバルで投資機会が豊富にあるアセットタイプです。市場動向を踏まえ、新しいプロジェクトやパートナーシップの機会を常に探求しながら、当社は国内外のデータセンターへの投資を幅広く検討し、積極的に進めます。また、大和証券グループのネットワークと金融ノウハウを活用することでグローバルなデジタルインフラの発展に貢献していきます。